ブログ一覧

本の紹介「ひよっこ社労士のヒナコ」

 「社労士ってどんな仕事をするの?」とお思いの方もいらっしゃると思います。標題の本は、新米社労士が様々な労働問題に挑み奮闘するという短編小説です。楽しく読めて、労働問題の勉強にもなります。《水生大海・著 文春文庫》

2020年08月24日

こころの健康

 2020年度の「全国労働衛生週間」で「みなおして 職場の環境 からだの健康」というスローガンが掲げられていましたが、私は、「こころの健康」もとても大事だと考えています。2020年6月1日から、改正労働施策総合推進法が施行され、各企業ではパワハラ対策の強化を要することになりましたが、当事務所では、ハラスメントはもとより職場のメンタルヘルスに関係するご相談全般を承っております。お気軽にお申し付けください。

(2020年10月1日の投稿を修正)

2022年04月01日

国民年金保険料の学生納付特例制度

 高知県下の高校、特別支援学校を対象に、高知県社会保険労務士会が「出前授業」を実施しており、私も、講師をお引き受けして「知っておきたい、働くときの基礎知識」についてお話しすることがあります。進学希望の生徒さんも相当数いますので、公的年金制度への加入についての話の中で、国民年金保険料の学生納付特例制度の紹介もしています。その際、制度の適用を受けると学生の間は保険料を払わずにすんでも、その分は就職してから払わなくてはいけない(追納)ということを強調します。就職後、保険料の追納と、(貸与型の奨学金を受けていた場合)奨学金の返済とがダブルパンチになって、経済的困窮に陥っては大変という思いからです。制度の適用を受けても追納ができなかったら、当然のことながらその期間は老齢基礎年金の額には反映されません(障害基礎年金、遺族基礎年金は満額保障されます。)。できることなら学生の間も保険料を払った方が、その時は苦しくても後が楽だな…と思います。

2020年11月16日

SDGs

 最近よく聞くSDGs(エスディージーズ)という言葉、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発目標」のことですが、これは「誰一人取り残さない、持続可能で多様性と包摂性のある社会」を実現すべく2030年を年限として達成するための、17の国際目標(その下に169のターゲットと232の指標が定められている)のことです。昨日は東日本大震災からちょうど10年でしたが、これを機に、改めてその意義を噛みしめたいものだと感じています。最近は、日本の企業でもこの17の目標の一部又は全部を経営戦略に取り込む動きが広がってきています。特に「目標3 すべての人に健康と福祉を(あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を推進する)」「目標8 働きがいも経済成長も(すべての人々のための持続的、包摂的かつ持続可能な経済成長、生産的な完全雇用およびディーセント・ワークを推進する)」は、経営側、労働側を問わず未来志向で企業活動を推進するための大きな「軸」であり、社労士としても大事にしたいところだと思います。 

2021年03月12日

「ねんきん定期便」見込額表示の変更

 国民年金、厚生年金に加入している方には、毎年誕生月になると「ねんきん定期便」(35歳、45歳、59歳は封書、それ以外は葉書)が届いていますね。あるいは、電子版「ねんきん定期便」(日本年金機構のホームページにご案内が掲載されています)を利用されている方もいらっしゃることと思います。この定期便、年齢等によって3種類の記載内容があります(①50歳未満、②50歳以上、③年金受給者)が、そのうち②の方を対象にしたものについて、2021年度から一部表示が変わりました。変わったのは「3.老齢年金の種類と見込額(年額)」の「一般厚生年金期間 報酬比例部分」の額です。2021年度から、厚生年金基金の代行部分を含んだ額になっていますので、ご注意ください。なお、厚生年金基金から支給される具体的な額は、各基金にお問い合わせください。

(2021年5月14日の投稿を修正)

2022年04月01日

老齢厚生年金について誤解が…

 厚生年金と共済年金が一元化されてから6年たとうとしていますが、複数の異なる区分の被保険者期間を有する方の厚生年金の額は、一元化とは言ってもすべての期間を通算して算定するのではありません。区分ごとの期間を基に算定した額を合算した額が年金額となります。「かつては第1号厚生年金被保険者(民間サラリーマン等の、従来型の厚生年金の被保険者)だったが、公務員に正式任用されて第3号厚生年金被保険者(共済組合員)となったAさん」のような場合です。そして、Aさんが女性の場合、生年月日に応じ65歳よりも前から支給される「特別支給の老齢厚生年金」の支給開始年齢の引上げが、すべての期間について男性より5年遅れになると思われがちですが、これは第1号厚生年金被保険者に期間に係る分だけに適用されます。

 それと、(一元化とは直接の関係はありませんが)「特別支給の老齢厚生年金」は支給の繰下げを請求できると思われがちですが、繰下げができないことにご留意ください。繰下げ請求ができるのは、65歳から受給できる本来支給の老齢厚生年金です。

2021年09月06日

年金の日

 11月30日は、語呂合わせで「いい未来の日」ということで「年金の日」とされています。「国民一人ひとり、『ねんきんネット』等を活用しながら、高齢期の生活設計に思いを巡らす日」(厚生労働省)という趣旨です。これを機に、公的年金の加入期間や受給見込額などを確かめ、これからのライフプラン、マネープランを描いてみるといいですね。そして、公的年金には、老齢年金だけではなく、障害年金、遺族年金もあることをお忘れなく…。

2021年11月30日

年金手帳の新規発行はなくなりましたが…

 4月1日から、年金手帳が廃止となって新規の発行がされなくなり、代わりに「基礎年金番号通知書」が交付されるようになりました。しかし、既に年金手帳を持っている方は、基礎年金番号を通知した公的書類は他にはないので、年金手帳を捨てることのないよう、くれぐれもご注意ください。

2022年04月21日

熱中症にご用心

  いつになく早い梅雨明けで、夏本番に突入してしまいました。この時季心配なのが熱中症ですね。勤務時間内外、屋内外、いつ、どこにでも「火種」が潜んでいます。もし会社の従業員の方が勤務中に重い熱中症になると、会社側の安全配慮義務違反が問われることもあり得ます。服装、水分補給、室内温度(電力不足が気になるところではありますが)など気をつけたいですね。折しも7月は、厚生労働省等の「STOP! 熱中症 クールワークキャンペーン」の重点取組期間となっています。

2022年07月08日

本の紹介「それ、やってはいけない!ハラスメント大全」

 いわゆる「パワハラ防止法」が中小企業にも適用になってから、2か月ほどたちました。職場でも日常生活でも、パワハラに限らずどんな言動がハラスメントとなってしまうのか、単純に線引きするのは難しいことですが、標題の本は、読むうちに惹きつけられて「知らずに傷つけている場面」がよくわかります。《野原蓉子・監修、青春出版社・刊》

2022年08月02日

BCP 高まる必要性

 2005(平成17)年9月6日、台風14号の影響で、四万十市内の当時私が勤務していた小学校の校舎が床上1.6m、体育館が床上1.8mの浸水被害に遭いました。学校は機能不全に陥り、復旧までの道のりは険しいものでした。何年か後にBCP(事業継続計画)という言葉を初めて知った時、私はその被害を思い出さずにはいられませんでした。そして、まさかの災害や感染症により事業活動が大きなダメージを受けた際に早く復旧して事業活動を続けられるよう、どんな事業でも事前にBCPを策定することが大切だと感じたことでした(…と言いながら、実は当事務所はまだ手掛けていないのですが…。)。大地震発生の可能性が日に日に高くなり、また、数十年に一度といわれていたレベルの豪雨が頻発するなか、そして新型コロナウィルス感染症の収束が見通せないなか、BCP(中小企業向けには事業継続力強化計画)の必要性はますます高まり、今後策定する動きが広がってくると思われます。

2022年09月05日

老齢年金の繰下げ受給ができないことが…

 「老齢基礎年金」及び「老齢厚生年金」は、必要な受給資格を満たしていれば65歳から受給でき、受給開始を66歳以降に繰り下げて年金額を増やすことも可能です。しかし、65歳時点で「障害厚生年金」「遺族厚生年金」「遺族基礎年金」の受給権がある場合(支給停止となっていて実際には受給していない場合も含みます。)は、繰下げ受給はできません。たとえば、64歳までに「特別支給の老齢厚生年金」と「遺族厚生年金」の受給権があって前者の受給を選択し、後者は支給停止となっていた場合が、これに該当します。
 また、65歳時点で「遺族厚生年金」の受給権がなかったので、66歳以降「老齢厚生年金」の受給開始を繰り下げるべく待機していた期間中に、新たに「遺族厚生年金」の受給権が発生した場合は、当該「老齢厚生年金」の繰下げの増額率はその時点で固定され、それより先へは繰下げできませんので、ご注意ください。

2023年02月20日

世界メンタルヘルスデー

 

☆久しぶりの投稿となりました。

☆今年もまた、「世界メンタルヘルスデー」(10月10日)がやってきます。これは、世界精神保健連盟が、メンタルヘルス問題に対する意識の高揚や偏見の払拭を目的として1992年に定めたもので、その後、WHOも協賛する正式な国際記念日となりました。この日に合わせて、シルバーリボン運動(脳や心に起因する疾患やメンタルヘルスへの理解を促進する運動として世界規模で展開、日本ではNPO法人シルバーリボンジャパンが中心となって取り組んでいる)の一環として、東京タワーのシルバー・グリーンライトアップが行われます(18時~24時)。

☆職場においては、働く人たちのメンタルヘルスを損ねる要因となる「心理的負荷」を軽減する取り組みを、一層推進したいものですね。

2023年10月06日

このごろ思うこと…

大企業の今春の大幅な賃上げ(特に若年層に対して)には驚かされます。大企業と中小企業との格差、大都市と地方との格差がますます広がり、地方の人材の流出に拍車がかかる懸念を感じます。とは言っても、最近の若年層が就職先を選ぶ決め手として、労働条件はもちろん重要ですが、それ以上に「どんな雰囲気の中でどんな人と働くか(社風、人)」を重視する傾向が強まっていることは、採用に際してしっかり認識しておく必要があると思います。早期離職を防ぐためにも、大切なことではないでしょうか。

2024年03月27日